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佐藤邦彦経営法律事務所

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豆知識 Vol.4 相続における胎児の法的地位

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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1 胎児の権利能力について

夫が死亡した時点で妻が妊娠していた場合、お腹の赤ちゃん(胎児)はどのような地位に立つでしょうか。

人が権利を取得し、または義務を負うことができる法的地位を「権利能力」といいます。
人は、出生した後でなければ権利能力を有しないとするのが民法上の建前です。
しかし、民法は、胎児の権利能力について、①相続、②遺贈、③不法行為に基づく損害賠償請求の3つの場合に例外を規定しています。


2 相続及び遺贈の場合

民法は、相続及び遺贈の場合には、相続開始時(被相続人の死亡時)にまだ胎児が生まれていなくても、その後で胎児が無事に生まれてきた場合には、相続開始時にその子が既に生まれていたものとみなして、相続人または受遺者となることを認めています。

もっとも、この扱いは、胎児である間に権利能力を認めるものではありませんので、例えば母親が胎児を代理して胎児の権利を行使をするといったことはできません。
あくまで、胎児が無事に生まれた後に、相続時に遡って胎児が生まれていたものとみなして事後的に処理ができるというだけです。

ここで一つ注意しなければならないのは、胎児(子)と母親は、こと相続に関しては利害が対立するので、母親が相続放棄をしない限り、たとえ親権者であっても子を代理して遺産分割協議をすることはできないということです。
このような場合は、母親は家庭裁判所に子の特別代理人の選任を申し立てて、その特別代理人が遺産分割協議を行うことになります。


3 不法行為に基づく損害賠償請求の場合

妻が妊娠中に夫が交通事故のような不法行為で死亡し、加害者に損害賠償請求をする場合が典型例です。

この場合は、母親と生まれてきた子は利害が対立する訳ではありませんので、親権者である母親が子を代理して加害者に請求することになります。

 

2017年9月2日掲載

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