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佐藤邦彦経営法律事務所

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家族信託の活用事例

よく家族信託は、汎用性が高く、様々なニーズに柔軟に対応することができると言われます。

しかし、そうはいっても、家族信託がどんなニーズに応えることができるのか、具体的なイメージを持つのは簡単ではありません。

このコーナーでは、家族信託の活用によって解決できる可能性のある事例を随時取り上げていきます(いずれも架空事例です)。

事例9 賃貸不動産の承継と大規模修繕、建替え

高齢のAは賃貸不動産(アパート)を所有している。
Aには、同世代で同居の妻Bと近隣に居住する長男C、他家に嫁いだ長女D、遠方に居住する二男Eがいる。
高齢のAは、最近、自分の認知能力に不安を感じ始め、賃貸不動産の管理事務が負担に感じるようになった。
Aは、自分の生存中はこの物件の賃貸収入を自分(と妻B)の生活費に充て、自分の死後は妻Bの生活費に充てたいと考えている。
妻Bが亡くなった後は、この賃貸不動産を長男Cに承継してもらいたいと考えている。
また、この賃貸不動産は、遠くない将来に大規模修繕あるいは建替えが見込まれている。

事例8 自分の死後のペットの飼養

高齢の甲さんは、配偶者に先立たれ、子もいない。
甲さんは現在、愛犬と共に暮らしている。
甲さんは、自分の死後、この愛犬の行く末が心配でならない。
自分の死後も、愛犬が健やかに飼養され、天寿を全うできるよう望んでいる。

事例7 自分の死後、祭祀行為等の事務を親族に依頼したい。

甲さんは配偶者に先立たれ、子もいない。
甲さんは、甥のAに自分の祭祀行為等の死後事務を依頼し、その費用を姪Bに預けて、Aが祭祀行為等を行った都度、Bにおいて支払ってくれるよう手配したいと考えている。

事例6 収益不動産の家賃収入と物件そのものの所有権を別々の者に帰属させたい。

甲さんは、賃貸不動産を一棟所有している。
甲さんには2人の子AとBがいる。
Aには知的障害があり、現在施設に入所中である。
甲さんは、自分の死後、賃貸不動産の家賃収入をAの生活費に当て、アパートそのものはBに相続させたいと考えている。

事例5 自分の死後の財産の行方をコントロールしたい。

甲さんには先妻との子Aと、現在同居中の後妻乙がいる。
乙には子はなく、三人の兄弟姉妹がいる。
甲さんは、自分が亡くなった後は乙を引き続き現在の自宅に居住させ、乙の死後はAに自宅を取得させたいと考えている。
しかし甲さんは、自分が遺言をしても乙が死亡した場合の相続には影響力を及ぼすことができないと聞き、何か良い方法はないかと思案している。

事例4 アパートローンの借換え

甲さんは70歳代の男性で、ローンを組んで建てたアパートを所有し、年金収入とアパートの家賃収入で生活している。
甲さんの妻は既に他界しており、子供は二人いる。
ローンはまだ残高が残っている。
甲さんが組んだローンは金利が高く借換えを希望しているが、高齢の自分では借換えは難しいと考えている。
また、アパートの後継者についても頭を悩ませている。

事例3 自分の死後残される未成年の子が心配だ。

甲さんは40歳代の女性で、数年前に浪費癖のあった夫乙と離婚した。
甲さんには、親権者として養育しているまだ幼い子丙がいる。
甲さんには他に頼れる親族はいない。
甲さんは現在病気を患っており、健康面に大きな不安を抱えている。
自分の死後、別れた夫乙が親権を回復して自分が丙のために遺した財産を食いつぶすのではないかと心配している。

事例2 自分の死後、認知症を患った妻が心配だ。

甲さんは70歳代の男性。妻の乙(60歳代)は認知症気味。
子供は丙と丁の2人だが、丙には浪費癖があり、過去にも乙の金銭を無断で使い込んだことがある。
丁は真面目な人物。
甲さんは、自分が死んだあと乙が財産を管理することはできそうにないので、乙に遺す金融資産を丁に託し、必要な都度生活費や医療費として支出して欲しいと考えている。

事例1 自分が生存中は自分を受益者として、自分の死後は妻を受益者として第三者に財産を管理してもらいたい。

夫の甲さんと妻の乙さんはともに70歳代で子供がいない。
財産は預貯金などの金融資産と賃貸不動産がある。
甲さん乙さんともに高齢化に伴い財産(特に賃貸不動産)の管理が難しくなってきた。
そこで甲さんは、財産管理を誰かに託し、自分たちの生存中は夫婦の日常生活に必要な資金を定期的に渡してもらい、自分たちが亡くなったあとは残った財産を相続人に渡してほしいと考えている。

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