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豆知識 Vol.24
祭祀を主宰する相続人には遺産を多く分けなければならないか

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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ときおり「共同相続人の一人から『自分は今後、先祖の祭りや法事にたくさんの費用がかかるのだから、自分は多く遺産をもらうべきだ』と主張され、困っている」といった相談を受けることがあります。これは、祭祀承継と相続の問題です。

それでは、このような主張は法律的に認められるのでしょうか。

結論から言うと、祭祀承継と相続は別問題ですので、このような主張は通りません。


1 祭祀承継と相続の関係

祭祀の承継とは、祭祀財産を承継して先祖の墓守や祭り、法事を主宰していくことを言います。
ここにいう祭祀財産とは、祖先の祭祀を行うのに必要な財産で、例えば墓地や墓石、位牌、仏壇、仏具、神棚、神具、系譜などがこれに当たります。
実は、これらの財産は、相続財産には含まれないのです。このことは、祭祀財産は遺言により、あるいは、遺言によらなくても被相続人が指定した者が承継し、指定がない場合は慣習によって定まる、慣習が明らかでない場合は家庭裁判所で祭祀財産の承継者を定めるとする民法の規定ぶりからも、伺い知ることができます。
ですから、祭祀承継と相続は本来別問題なのです。
したがって、祭祀を承継する者が遺産分割において当然に他の共同相続人よりも多く遺産を取得できるというわけではないのです。

このようなわけですから、もし、祭祀を承継する相続人が過大な取り分を強硬に主張し、遺産分割の協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、それでも解決しないならば審判で決めてもらうほかありません。


2 とはいっても・・・

そうはいっても、祭祀を主宰するにはそれなりの負担がつきものです。
そこで実際には、他の共同相続人において祭祀を承継する相続人の負担を考慮して、多少多めに遺産を分けてやることが多いようです。

 

2017年11月7日掲載

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