盛岡の弁護士による相続のご相談
佐藤邦彦経営法律事務所
岩手県盛岡市中央通1丁目8番13号 中央ビル2階
(以上、法務省のパンフレットから引用)
本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。
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相続が発生すると、亡くなった方(被相続人)の財産の名義を相続人名義に変える必要が生じます。
相続手続では、被相続人の住民票の除票や戸除籍謄本、相続人の戸籍謄本等といった書類が多数必要となるのが通常です(俗にいう「戸籍の束」)。
ことに、相続財産に不動産の他、多数の金融機関に預金があったりすると、大変です。
これら全てに戸籍謄本等を提出していたのでは、手数料がかさんでしまいます。
これを避けるために、戸籍謄本等を1セットだけ入手して、相続手続が必要な機関一軒ごとに書類の提出・返却を繰り返したのでは、相当に時間がかかってしまいます。
そこで法務省は、このような不便を解消ないし緩和するために、平成29年5月29日から「法定相続情報証明制度」という新制度の運用を開始しました。
■本制度の概要
この制度は、一言で言えば、誰が法定相続人に当たるのかを法務局が証明してくれるというもので、相続人は法務局に認証文付きの法定相続情報一覧図の写し(別紙2)を発行してもらいます。
そして、相続人は、手続が必要な各機関にこれを提出して相続手続を行うことになります。
認証文付きの法定相続情報一覧図の写しは必要な通数だけ発行してもらえ、手数料等はかかりません。
■本制度利用の流れ
本制度利用の流れの概略は以下の通りです。
1 申出
⑴ 戸除籍謄本等を収集する。
⑵ 法定相続情報一覧図(別紙1)を作成する。
⑶ 申出書を上記の書類を添えて法務局に提出する。
2 法務局による提出書類のチェック、認証文付き法定相続情報一覧図(写し)の交付(別紙2)
3 利用
相続人は、戸籍の束の代わりに認証文つき法定相続情報一覧図の写しを提出して、各種の相続手続を行う。
この制度を利用したとしても相続人は戸籍の束をワンセットは揃えなければなりませんが、これまでの相続手続に比べれば負担は相当程度軽くなったと言えるでしょう。
とはいえ、この制度によっても戸籍の束の入手や法定相続情報一覧図の作成など、それなりの手間はかかります。
戸籍の束の入手や本制度の申出手続は弁護士が代理して行うことができますので、ご自分で手配するのが難しいと思われる方はお気軽に当事務所にご相談ください。
2017年12月12日掲載