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豆知識 Vol.46 
財産を相続させたくない相続人がいる場合の対処について

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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家庭内や親族間の事情は様々ですから、時には自己の推定相続人に対して「この人物には自分の財産を相続させたくない」という感情が芽生えることもあるでしょう。 

このような場合に備えて、法は遺言と推定相続人の廃除という二つのメニューを用意しています。


■ 遺言による対処

まず、対処方法の一つとして、このような好ましからぬ人物に財産を分け与えないように、遺言をすることが考えられます。
一般的にはこれが一番簡単な方法になるでしょう。
しかし、自分の兄弟姉妹以外の推定相続人には遺留分があり、仮にこの遺留分を侵害するような遺言をしたとしても、遺留分減殺請求をされれば目的を達成することは出来ません。

そこで、強制的に推定相続人の相続権を剥奪するメニューが、次にご紹介する「推定相続人の廃除」です。


■ 推定相続人の廃除

推定相続人の廃除とは、推定相続人が被相続人を虐待したり、これに重大な侮辱を加えた時、または、相続人にその他の著しい非行があった時に、被相続人の申立てによって当該相続人の相続権を剥奪する制度をいいます。

1 被相続人に対する虐待、重大な侮辱

虐待とは、被相続人の身体または精神に不当な苦痛を与えることをいい、また重大な侮辱とは、被相続人の人格的価値ないし名誉感情を著しく害することをいい、いずれもその行為によって被相続人と当該推定相続人との間に相続的協同関係を維持することが一般的に期待できないと認められることが必要とされます。
過去には、以下のような事例で「虐待」「重大な侮辱」が認定されています。

  • 長男が、父親の金員を無断で費消したり、多額の物品購入代金の支払いを父親に負担させ、これを注意した父親に暴力を振るい、その後、家出をして行方不明になっている事案。
  • 娘が暴力団員と婚姻し、父母が婚姻に反対なのに父の名で披露宴の招待状を出すなどした事案。

2 その他の著しい非行

その他の著しい非行とは、被相続人と推定相続人との間の相続的協同関係を破壊するような重大な非行をいいます。
過去には、以下のような事例で「著しい非行」が認定されています。

  • 長男が、窃盗等により何度も服役し、このほかにも交通事故を繰り返したり、消費者金融から借金を重ねたりしたが、賠償金の支払いや返済をほとんど行わなかったため、父は、窃盗や交通事故の被害者らに謝罪し、被害弁償や借金の返済に努め、これによって多大な精神的苦痛を被るとともに、多額の経済的負担を強いられたという事案(長男の著しい非行)。

3 具体的な手続

推定相続人の廃除は、家庭裁判所に対して家事審判を申立てる形で行います。

 

2018年2月6日掲載

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