盛岡の弁護士による相続のご相談
佐藤邦彦経営法律事務所
岩手県盛岡市中央通1丁目8番13号 中央ビル2階
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補充遺言とは、遺言によって財産を取得する相続人や受遺者が遺言者よりも先に死亡した場合などに備えて、代わりの承継者を指定する遺言です。
予備的遺言ともいいます。
例えば、次のような内容です。
「長男Aに〇〇の財産を相続させる。ただし、Aが遺言者より先に死亡した場合は、Aの長男Bに相続させる。」
ここで、遺言者が上のような内容ではなく、単に「長男Aに〇〇の財産を相続させる。」という遺言をしたとします。
遺言書を作ったとしても、遺言書作成から遺言者が亡くなり遺言書が発効するまでの間に何があるかわかりません。
相続人が病気になるかもしれませんし、交通事故などで不慮の死を遂げるかもしれません。
上の例で予備的遺言をしていなければ、遺言者が亡くなった時点でAはすでに死亡しているのですから、遺言を実現させることはできません。
つまり、この遺言は失効することになります。
上の例で、Bは遺言者との関係では代襲相続人にあたりますから、補充遺言がなくてもBが当該財産を取得する可能性はあります。
しかし、それはあくまで遺産分割協議が整った場合の話です。
補充遺言の必要性が高まるのは、ある特定の財産の帰属について遺言者に強い希望がある場合です。
例えば、先祖代々引き継いできた自宅といったものがこれに当たるでしょう。
このような希望が遺言者にある場合は、補充遺言をしておけば、ある程度は確度高く遺言者の希望を叶えることができます。
遺言書が無効になってしまえば、あとは原則通り遺産分割協議によって処理していくことになります。
せっかく遺言者が円滑な相続を期待して遺言書を作ったのに、簡単に遺言書が失効してしまうのでは意味がありません。
遺言書の実効性を確保し、円滑な相続処理を実現できるように、補充遺言の活用をお勧めします。
2026年2月13日掲載