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豆知識 Vol.27 被相続人の債務の調査方法について

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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民法では「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」と規定しており、債務については法定相続分に応じて承継するのが原則です。

もしも被相続人が多額の借金を負っていた場合は、相続人において相続放棄あるいは限定承認といった方策を講じなければ、相続人がにわかに多額の債務を負わされることになりかねません。

そして、この場合に怖いのは、相続放棄あるいは限定承認には期間制限(自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内)があるということです。
このため、被相続人に多額の借金の気配がある場合には、相続人は綿密に債務の調査を行う必要があります。


■ 被相続人の債務の調査方法

1 被相続人の保管物のチェック

まず、調査の第一歩として被相続人の保管物を調査しましょう。
例えば、預金通帳や被相続人宛の郵便物(特に金融機関からの郵便物)、金銭消費貸借契約書(借入契約書)などのチェックがこれに当たります。
預金通帳に金融機関名で定期的な一定額の引落しが記帳されている場合には、借入金の返済である可能性が高いといえます。
また、金融機関は定期的に取引明細を送ってくることが多いですから、このような書類がないか、確認してください。
金銭消費貸借契約書が出てきた場合には、まず、その契約書に記載されている最終返済期限を確認してください。仮に最終返済期限が過ぎていても、念のためにその金融機関に事情を説明して残債務があるかどうか確認してください。
金融機関からは、相続人であることを疎明する資料の提出を求められるでしょうから、戸籍謄本等の必要書類を準備しておきましょう。


2 信用情報機関への照会

上記の他に、金融機関からの借入れを調査する方法としては、信用情報機関に照会するという方法があります。照会先は大きく分けて三つです。

⑴ 銀行借入れ
照会先:一般社団法全国銀行信用情報センター
窓口の電話番号:0120-540-558(月〜金、9:00〜12:00、13:00〜17:00)

⑵ 消費者金融
照会先:株式会社日本信用情報機構
窓口の電話番号:0570-955-055(月〜金、受付時間:10:00〜16:00)

⑶ クレジット
照会先:株式会社CIC(シー・アイ・シー)
窓口の電話番号:0570-666-414(月〜金、10:00〜12:00、13:00〜16:00)

これらの機関への照会は意外に時間がかかりますから、照会は早めに行う必要があります。


3 その他

上記以外にも個人間の貸し借りがある可能性があります。
しかし、このようなものについては、被相続人の保管物を調査する他ないでしょう。

 

2017年11月20日掲載

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