盛岡の弁護士による相続のご相談
佐藤邦彦経営法律事務所
岩手県盛岡市中央通1丁目8番13号 中央ビル2階
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■ 事例
自営業を営んでいた被相続人甲の相続人は、妻Aの他、子B、Cの三人である。
甲の生前、Bとその配偶者Dがほぼ無報酬で甲の家業を手伝っていた。
Bは、遺産分割に当たって家業に対する自己の貢献だけでなくDの貢献をも含めて寄与分の主張をできないか。
■ 解説
寄与分を主張できるのは、条文上相続人に限られています。
したがって、Dは甲の相続人に当たらない以上、D自身が寄与分の主張をすることはできません。
Dが自己の権利を主張するには、契約上の権利に基づく請求、あるいは不当利得返還請求といった構成による必要があります。
それでは、BはDの貢献を自己の貢献と合わせて寄与分の主張ができないでしょうか。
この点については、配偶者など相続人の家族の寄与が相続人自身の寄与と同視できるような事情があれば、寄与分の主張が認められると考えられています。
例えば、上の事例のように相続人夫婦が共に家業に従事していたような場合には、配偶者は相続人の履行補助者と捉えることができますので、配偶者の寄与が相続人自身の寄与と同視できるといえるでしょう。
したがって、上の事例でも、BはDの貢献と合わせて寄与分の主張ができることになります。
寄与分については、こちらの記事もご覧ください。
2017年12月25日掲載