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豆知識 Vol.99 相続土地国庫帰属制度:承認申請をすることができる者(共有と相続)

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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本制度で国庫帰属の承認申請をすることができるのは、相続等により土地を取得した者に限られます。
したがって、土地を他者から買い受けたような自分の意思で土地を取得した者は、原則として承認申請をすることはできません。
これは、そもそも本制度が、相続等といった自分の力ではいかんともしがたい事情でやむなく土地所有権を取得した者が、過度な負担を受けないで済むようすることが目的だからです。

しかし、土地所有権を取得するに至った経緯には様々なものが考えられます。

例えば、対象となる土地を被相続人の生前に被相続人と共同購入したようなケースが考えられます。
具体例で考えてみましょう。

被相続人である父Aと子Xがある土地を共同購入して共有することになりました。
その後、Aが亡くなり、Xが相続人としてAの土地持分を取得し、Xはこの土地を単独所有するに至りました。
Xがもともと有していた持分はXが自分の意思で取得したものですから、この点に着目すれば本制度の承認申請はできないようにも思われます。
しかし、Aから承継取得した持分については相続によって取得したものであることに変わりありません。
そこで、本制度では、このような経緯で土地を取得し、単独所有権の中に自分の意思で取得した部分と相続により取得した部分が混在している所有者にも、単独所有権全体として国庫帰属の承認申請を認めています。

2023年3月7日掲載

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