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豆知識 Vol.74 
特定の遺産を特定の相続人に承継させたい場合の遺言について

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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特定の財産を特定の相続人に承継させたいとき、遺言において用いられる文言としては「遺贈する」あるいは「相続させる」という2パターンがあります。

しかし、両者には性質や相続開始後の事務において微妙な差異がありますので注意が必要です。
 

■ 「遺贈」という文言を用いた場合

遺贈とは、遺言によって自らの財産を無償で他人に与えることをいいます。

遺贈には、法定相続人に対して行う遺贈と、それ以外の人に対して行う遺贈があります。

遺贈の効力が発生すると(つまり、遺言者が亡くなり相続が開始すると)、当該財産は相続人による遺産分割を経なくても直ちに受遺者(遺贈を受けた人)に移転します。

もっとも、当該財産が不動産の場合は所有権の移転登記を行う必要がありますが、遺贈の場合は登記権利者たる受遺者と登記義務者たる他の相続人(遺言執行者がある場合は遺言執行者)の共同申請による必要があります。
つまり、登記義務者が協力してくれないと事務を完結することができないのです。

また、遺贈によって当該不動産を取得した相続人は、登記を経なければ第三者に対抗することができません。


■ 「相続させる」という文言を用いた場合

これに対して、「相続させる」という文言を用いた場合については、従来これをどのような性質のものとして扱うべきかについて争いがありました。

この点、最高裁は、「相続させる」旨の遺言は遺産分割の方法を定めたものであり、当該遺言において相続による承継を当該相続人の受諾の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、なんらの行為を要しないで被相続人の死亡の時に直ちに当該遺産が当該相続人に相続により承継される、と判示しました。

不動産の所有権移転登記は、これが遺産分割方法の指定であり、相続により当該財産が承継されることから、財産を承継する相続人が単独で申請することができます。
つまり、他の相続人が協力してくれなくても登記できるわけです。

また、対抗要件としての登記も、最高裁は不要と判示しています。


■ まとめ

このように、特定の遺産を特定の相続人に承継させたい場合は、遺贈ではなく「相続させる」という文言を用いた方が現実的なメリットが多いでしょう。

 

2018年8月7日掲載

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