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豆知識 Vol.25 遺産分割協議を進めるに当たっての留意点

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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1 遺産分割協議の流れ

遺産分割協議の大まかな流れは、以下のようになります。

⑴ 相続人を確定する。
⑵ 遺産の範囲を確定する
⑶ 遺産の評価を確定する
⑷ 各相続人の具体的相続分を確定する
⑸ ​遺産の分割方法を確定する
⑹ 遺産分割協議書を作成する


2 相続人の確定

誰が相続人になるかは、通常の場合はみなさんお分かりでしょうが、亡くなった方(被相続人)にもそれぞれ「歴史」があります。念には念を入れて、被相続人が子供を作ることができる年齢(だいたい15歳あたり)からの身分関係の変動が分かる戸籍謄本を取り寄せて相続人を確認しておきましょう。

もし万が一、被相続人に隠し子がいて認知されていると大変です。その子を除いて話し合いを進めるわけには行きません。その子を除いて成立した遺産分割協議は無効です。


3 遺産の範囲の確定

遺産の範囲とは、被相続人にどのような遺産があるかということです。

遺産の範囲を巡って争いになりやすいものとしては、特定の相続人が受取人となっている死亡保険金が挙げられます。
死亡保険金の取扱いについてはこちらもご参考ください。

また遺産分割に直結する問題ではありませんが、使途不明金の有無が付随的な問題として争いになることが多々あります。
使途不明金問題についてはこちらもご参考ください。


4 遺産の評価の確定

遺産の評価を巡って争いになりやすいのは不動産です。
不動産の評価については、市区町村が発行する固定資産評価証明書を取り寄せたり、実際の取引における売買価格を不動産業者から聴取するといった方法が用いられることが多いようです。
評価額について合意が得られなければ、不動産鑑定士に正式に鑑定を依頼することになります。


5 各相続人の具体的相続分の確定

各相続人の相続分は民法で定められていますが、相続人全員が合意すればこれとは違った相続分を決めることができます。

この段階では、各相続人の特別受益や寄与分が問題になることがあります。
特別受益についてはこちらを、また、寄与分についてはこちらをご参考ください。


6 遺産の分割方法について

遺産の分割方法をどう定めるかについては、法律に具体的な定めがあるわけではありませんが、指針となる規定があります。「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」と定める民法906条がこれです。

遺産分割協議においては、この指針を踏まえた分割方法が望まれます。
例えば、遺産のうちに農地や居住用の土地建物、あるいは営業用の財産がある場合に、農地は農業を実際に承継する者に取得させ、居住用の土地建物についてはその土地建物に居住している者の利益を考慮する必要があります。また、営業用財産については、これを複数の者に分割承継させてしまうと営業が立ち行かなくなるでしょうから、営業の意思と能力を有する者が単独で承継するのが望ましいでしょう。

このような配慮に基づいて分割方法を定め、各相続人間の取得額の不均衡については相続預金や代償金で調整することになります。


7 遺産分割協議書の作成

遺産分割協議がまとまった暁には、必ず遺産分割協議書を作成してください。
相続財産の中に不動産がある場合は事後に所有権移転登記をする必要がありますが、この遺産分割協議書が登記原因証書になります。
遺産分割協議書の雛形についてはこちらをご参考ください。

 

2017年11月13日掲載

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