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豆知識 Vol.44
相続開始後に発生した遺産収益の帰属について

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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被相続人の遺産の中に賃貸アパートなどの収益物件がある場合、相続が開始してから遺産分割協議が成立するまでの間に発生する賃料などの遺産収益はどのように扱ったら良いでしょうか。

■ 具体例

被相続人A、相続人は子2人(長男Y、二男X)。

遺産の中に賃貸アパート1棟が含まれており、家賃は管理専用口座に振り込まれYが管理していた。

遺産分割協議の結果、当該物件はYが取得することになった。

Yは、この物件を自分が取得する以上、相続開始から遺産分割までの収益も自分が全て取得すると主張しているが、Xは納得できない。


■ 遺産収益は遺産分割の対象となるか

遺産分割について民法は、「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。」と規定しています(民法909条)。

遺産分割協議の効力が相続開始の時点に遡るならば、遺産分割で収益物件を取得することになった相続人は相続当初からこれを所有していたことになり、遺産分割までの遺産収益も当然取得することになりそうです。

しかし、この点について最高裁は次のように判示して相続開始後の遺産収益は遺産そのものとは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として取得すると判断しました。

曰く「遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当である。遺産分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであるが、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けない」(最高裁平成17年9月8日判決)。

この考え方によれば、上の例では、Xは遺産収益の二分の一をYに請求できることになります。


◼️ 遺産収益を請求する場合の方法

最高裁の考え方によれば、遺産収益は遺産とは別個の財産ということになりますから、自己の相続分に相当する遺産収益を主張する相続人としては、遺産分割調停ではなく民事訴訟によることになります。

もっとも、共同相続人全員が合意している場合には、遺産収益の分割問題も調停手続の中で解決することができると考えられています。

 

2018年1月26日掲載

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