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豆知識 Vol.9 
相続人が相続放棄をしないまま死亡した場合の取扱い

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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1 再転相続とは

例えば、祖父が亡くなって父が相続人になったところ、父が相続放棄の申述をしないまま相続放棄の熟慮期間内に死亡した場合、子は、父の相続人としての地位を持つととともに、父の祖父に対する相続人としての地位も合わせ持つことになります。これを再転相続、上の子のような者を再転相続人といいます。

それでは、このような場合、子は祖父と父の相続のどちらか一方だけを相続放棄することはできるでしょうか。


2 再転相続における相続放棄

結論からいうと、父の相続について承認し、祖父の相続について放棄することはできますが、父の相続について放棄し、祖父の相続について承認することはできません。なぜなら、祖父の相続に関しては、あくまで父が持っていた権利を行使することになるからです。父の相続に関して相続放棄をすれば、父が有していた祖父の相続に関する権利も一緒に放棄してしまうわけです。
そこで整理すると、以下のようになります。

⑴ 父について相続を放棄をした場合
祖父の相続について承認をすることはできません。

⑵ 先に、父について相続を承認した場合
祖父の相続については、承認・放棄いずれも選択が可能です。

⑶ 先に、祖父について相続を承認した場合
父の相続については、承認・放棄いずれも選択が可能です。

⑷ 先に、祖父について相続を放棄した場合
父の相続については、承認・放棄いずれも選択が可能です。


3 再転相続における熟慮期間の起算点

相続放棄又は承認を選択できる熟慮期間は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月間ですが、再転相続に関しては再転相続人が自己のために再転相続の開始があったことを知った時から起算することとされています。
つまり、上の例では、子が父の死を知った時が熟慮期間の起算点となります。

 

2017年9月18日掲載

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