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豆知識 Vol.13 
相続の承認・放棄が未定の間の遺産管理 ⑵

本コーナーの各記事の内容は、特にことわりがない限り掲載時点の法令に基づいたものとなっておりますのでご注意ください。

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Vol.12に引き続き、相続の承認・放棄が未定の間の遺産管理についてお話しします。


1 相続人による管理

前回の記事では、相続人が相続財産について処分行為をすると、その行為をもって相続を単純承認したものとみなされるというお話をしました(法定単純承認)。

そのような事態を避けつつ、相続人がなしうるのは、相続財産の管理行為です。そして管理行為は、①保存行為、②利用行為、③改良行為の3類型に分類されています。

⑴ 管理行為の態様
① 保存行為
保存行為とは、財産の現状を維持するために必要な行為をいいます。
(具体例)
・損傷した財産の修理・修繕
・腐敗しやすいものを売却して金銭に替える行為
・未登記の不動産について登記をする行為
・消滅時効中断の措置

② 利用行為
利用行為とは、財産をもとに収益を図る行為をいいます。
(具体例)
・金銭を銀行に預け入れる行為
・不動産の使用貸借、短期間の賃貸借

③ 改良行為
改良行為とは、財産の使用価値または交換価値を増加させる行為をいいます。
(具体例)
・家屋に造作を施す行為
・田地を宅地に変える行為

⑵ 管理の方法
相続人が複数人いる場合、民法はこれらの者の関係は共有に当たるとしていますので、民法総則の共有に関する規定が適用されます。
まず、保存行為は各相続人が単独で行うことができます。
これに対して、利用行為と改良行為は、相続分による過半数で決する必要があります。


2 相続財産管理人による管理

相続人が相続財産から遠隔地に居住している場合や共同相続人間の対立が激しい場合など、相続財産の適正な管理が困難な場合は、相続人や一定の利害関係人の申立てにより、家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらいます。


なお、法定単純承認については、こちらの記事もご覧ください。

 

2017年9月30日掲載

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